映画『僕だけは知っている』
MC:恵水流生
Asst.:南琴里
作品情報
上條大輔(監督)
映画・テレビの制作会社を経て、フリーの助監督として映画業界に入り、佐藤信介、成島 出、大友啓史、武正晴らの監督作品に従事する。
2015年ドキュメンタリー映画「Hee and She」にて監督デビュー。
その後、映画・ドラマ・舞台の演出・脚本を中心に様々なジャンルの映像作品を手掛け活動中。
「僕だけは知っている」
出演者
QUESTIONNAIRE
1.この映画を撮ったきっかけはなんですか?
年々複雑化する家族内での問題や犯罪に、真摯に向き合う作品が撮りたかった。
報道で伝えられる表層的な解釈の裏には、必ず当事者にしか分かり得ぬ“事情”が存在する。長年連れ添った夫婦、固い絆で結ばれる兄弟、無償の愛を享受する親子であっても同様だ。
その存在は、もしかしたら真実とは違う着地点に導くのかも知れない。
14歳という若さで足掻く少年の心の機微を凝縮した本作。
全ての世代の異なる見解を、鑑賞後に語って欲しい。
2.影響を受けた作品・監督はいますか?
一口にお答えするのは難しいですが、あえてアジア圏に絞りますと、
楊德昌「牯嶺街少年殺人事件」「台北ストーリー」
侯孝賢「悲情城市」「好男好女」
ポンジュノ「母なる照明」「殺人の追憶」
ナ・ホンジン「チェイサー」「哭声」
ウォン・カーウァイ「恋する惑星」「ブエノスアイレス」
チャン・イーモウ「初恋のきた道」「あの子を探して」
でしょうか。王道ですけど。空気を撮れる監督が好きです。
(日本の監督はもう様々な方に影響受け過ぎて選べません)
3.普段、どんな時にアイディアが生まれますか?
人間観察が好きなので、誰かと話しているとき、現場中、カフェでボーッとしている時など
人と接していたり見ている時が多いです。
4.作品へのこだわりがあれば教えてください。
こだわりなくして作品は撮らないと思いますが、今回の作品で言えば「喪失感」でしょうか。
主人公が失ってしまった大きな喪失感と、今後待ち受けるであろう大いなる苦難。
それを感じ取っていただき、1で書いたこの「作品への見解」を話していただければ幸いです。
5.今回の作品で一番苦労した点を教えて下さい。
やはりラストカットの主人公の表情でしょうか。
あのカットを時間がない、夕陽が沈む!と焦らせながら撮らねばならぬ状況含め、役者への負荷は大変大きかったと思います。
僕自身、映画の撮影を「苦労」だと思ったことはまずありません。
基本撮影とは「大変なもの」なので。
6.今後どの様な作品を作っていきたいですか
前述の通り、空気感が含まれている作品が好きなので、ジャンル問わずその時代の人々を表す映像と、人間模様を描く脚本、そして映画全ての要素を成立させる演出を心がけたいです。
なんかとても壮大なことを言ってすみません笑
7.撮影現場について、スタッフ・キャストとのコミュニケーションはどの様にとっていますか
普段の生活と同じです。変に自分を誇示したり相手を測るのではなく、台本にあるこの場面をどう表現するか、を一緒に模索する。
その為に会話が必要ならばとことん話しますし、逆に共通の空気感が流れていれば多くは語らずカメラを回す。
逆にお互い無理しているな、と感じれば一旦止めたりもします。最後は美味しいご飯ですかね笑
8.壁にぶつかった時の乗り越え方を教えて下さい。
これは僕が教えて欲しいです。
が、壁にぶつからない時なんて無いので、まぁ毎回逃げずに向き合います。
大概「壁」って「自分自身」ですから。
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